FT-IRのお仕事

Fourier Transform Infrared Spectroscopy

GCのFIDとTCDの原理

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GCのFIDとTCDの原理

GCの検出器

GCでも何でも、分析機器は物質の量を「電気」に変換して、検出を行っています。

FID検出器では電荷をもったイオンの量を検出しています。

TCD検出器はカラム出口からサンプルが吹き出したときに熱電対の温度が下がるのを電気信号の形で検出します。


GC汎用検出器の種類

FID TCD

水素炎イオン化検出器(FID:Flame Ionization Detector)

FIDは炭素骨格をもつ「有機化合物」専用の高感度検出器。

FIDは最もよく使われている検出器。

FIDの原理

水素炎イオン化検出器は、
有機化合物が水素炎中で燃焼すると、
そのうち数ppmはイオン化するので、
それを検出する手法。

検出器内部で水素と空気を混合して燃焼させ、この炎の部分に電極を置き、電圧をかける。

FIDはカラム出口に接続したノズルから
①試料成分を含むキャリアガスと
②水素(+メイクアップガス)を混合したものを放出し、
その周りに③空気を流す構造になっている。

カラムで分離された成分は水素炎の中に入り燃焼する。

そのときに炭素原子を含む多くのイオン(数ppm程度)が生成して検出器内部の電極間に電流が流れる。

この電流量を測定することにより、有機化合物の量を知ることができる。


FIDが検出できる物質

有機化合物のほとんど全てを検出可能。

検出できない物質

CO2などのイオン化準位の高い無機系のガスはイオン化できないので検出できない。

さらにホルムアルデヒドHCHOやギ酸HCOOHなどのカルボキシル基のC=O部分の炭素は検出できない。

これらは一つの炭素がイオン化レベルの高いC=O結合であるため、水素炎イオン化検出器のフレーム温度ではイオン化が不足し、そのままでは検出できない。

そのためホルムアルデヒドはそのカルボニル器を2,4-ジニトロフェニルヒドラジン(DNPH)と結合・誘導体化してFIDの感度を上げて分析する。

ギ酸は他の有機酸と同様にカルボキシル基のエステル誘導化を行ってFIDの感度を上げて分析する。


FIDの特徴

検量線の直線範囲が107とほかの検出器よりも非常に広い。

最小検出量

およそ0.1ppm(0.1 ng)

FIDの欠点

火気厳禁の場所ではFIDは使用不可。


メイクアップガス(Make-up gas)

メイクアップガスはカラムを流れるガスの流量が少ない場合に、
検出器部分に供給する補助ガスのこと。


ガスの流量変化は検出器に悪影響を与える。

悪影響の例

ベースラインが不安定になる。

FID検出器の火が消える。

メイクアップガスが流れることで、
検出器に流れるガスの総流量を一定に維持することができる。

カラム流量が20mL/min以上であれば、メイクアップガスは不要な場合もある。

メイクアップガス適正量

一般的には30mL/minから50mL/min程度供給する。


熱伝導度検出器(TCD:Thermal Conductivity Detector)

TCD の原理

熱伝導度検出器(TCD)は、ブリッジ回路の1辺または2辺が熱線フィラメントの検出素子となっている。

これにキャリアガスを接触させ、バランスを取っておく。

ヘリウムなどの熱伝導率の高いキャリアガスによって試料ガスが運ばれてくると、試料ガスはヘリウムよりも熱伝導率が低いため、ブリッジはバランスを失う。

この電位記録が検出信号になる。

試料ガスとキャリアガスとの熱伝導率の差は大きいほど検出に有利。

そのため、キャリアガスは通常の場合、ヘリウムや水素が適当。

ただし、検出対象が水素であれば、熱伝導率の差を取るため、キャリアガスはヘリウムより窒素が適当。

熱伝導度検出器は恒温槽などを使用して、温度を一定にする必要がある。

TCDが検出できる物質

キャリアガス以外(ヘリウムHe以外)のすべての化合物を検出可
(何でもOK)

キャリアガスには主にヘリウムHeが用いられる。

TCDの特徴

TCDはヘリウムのような熱伝導性の特に大きなガスをキャリアガスに用い、ヘリウムとは熱伝導度の異なる気体成分が通過するときの温度差を電気抵抗に変えて検出する。

キャリアガス以外の色々なガスの検出ができるが、選択性はなく、検出感度は低い。

HPLCの示差屈折率検出器のような位置づけの汎用検出器。

最小検出量

およそ10ppm(10 ng)