FT-IRのお仕事

Fourier Transform Infrared Spectroscopy

質量分析計の構成

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質量分析計の構成

質量分析計の構成

質量分析計は

イオン化部(ソース)、
質量分離部(アナライザー)、
イオン検出部

三つの主要パーツからなる。


1.イオン化部(ソース)

試料分子を高真空下などの条件でイオン化する。

バックグラウンドイオン

イオン化部は試料成分などで汚れやすい。

分子をイオン化するイオン源が汚れていたり、
GC-MSでカラムの液相成分などがイオン源に入り込んだりすると、それらのコンタミ成分が試料成分のピークと一緒に検出されてしまう。

これがバックグラウンドイオン。
(バックグラウンドピーク)

対策

高濃度試料は測定しない
残留しやすい試料は測定しない
イオン源の定期的な洗浄


2.質量分離部

生成されたイオンを質量ごとに分離する。

イオン化して電荷をもった分子は磁場の影響を受ける。

電磁石によって磁力を調製することで運動の方向や速度を変えることができる。

そして特定の質量を持ったイオンだけが通過できる真空中の通り道を作ると、生成したイオンを質量別に古い分けることができる。

用語:加速電圧

イオン化した分子を質量分離部に高速で射出するための高電圧のこと。
(数千Vから1万V)

加速電圧が高いほど検出感度がよくなる場合がある。

+イオンを検出したい場合は+
-イオンを検出したい場合は-


質量分離部の種類

質量分離部は生成したイオンの質量分離を行う。

・四重極型(Q)
・三次元四重極型(イオントラップ形:IT)
・磁場型(EB、BE)
・飛行時間型(TOF)


四重極型(Q)

四重極型の質量分離装置(Q、QMS)は小型の質量分析計に搭載されることの多い装置。

GC-MSやLC-MSにも搭載可能。

スキャンが速く、検出する質量選択が可能なため、SCAN測定もSIM測定もできる。

ただし、ミリマス測定には向いていない。

イオン化法

EI法、CI法、
APCI法、ESI法


四重極型質量分析計

取り扱いが容易なためMS初心者向きの装置。

装置は比較的小型であり、価格も一台1000万円程度。

整数単位で分子量を調べることができる。

測定可能な質量の上限はおよそ数千。


磁場型質量分析計

高分解能のミリマス測定が可能であるが、装置の取り扱いが難しく数ヶ月のトレーニングが必要。

ミリマス測定とは精密質量測定のことであり、化合物の組成式が分かる測定手法。

装置は大型であり、価格も一台につき億単位。

イオン化法

EI法、CI法、
APCI法、ESI法、FAB法


二重収束型質量分析計

数万レベルの高分解能測定が可能で、ミリマス測定もできる装置。

磁場で方向収束を行い、電場でエネルギー収束を行なう。

高性能磁石が必要なため、装置が大型かつ高価になりやすい。

測定上限質量

数万程度


飛行時間型(TOF)

飛行時間型(TOF)の質量分離装置は広い範囲の質量を測定することができる分離装置。

定量分析には向いていない。

測定上限質量

およそ数十万から100万

イオン化法

MALDI法

TOF型質量分析計

取り扱いが容易。

感度が高い。


3.検出部

検出部はイオンを検出するところ。

質量分離部で分離されたイオンは、検出部で電気信号に変換され、マススペクトルまたはマスクロマトグラムとして記録される。

検出器にかける電圧を高くすると、検出感度が上がる。

ただし、イオンピークだけでなくノイズも大きくなるので、ノイズシグナルノイズ比が必ずしも改善されるわけではない。

なお、検出部で検出されたイオンの量は、イオンの絶対量を表すものではない。

そのためマススペクトルやマスクロマトグラムの縦軸の検出強度には単位がない。

検出部の種類

・二次電子増倍管形検出器
・光電子増倍管形検出器(フォトマルチプライヤー形検出器)
・ポストアクセル検出器
・マイクロチャンネルプレート