FT-IRのお仕事

Fourier Transform Infrared Spectroscopy

標準添加法のやり方

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標準添加法のやり方

有名どころの定量分析法たち

1.絶対検量線法(検量線法、外部標準法)

2.内部標準法(内標準法)

3.標準添加法
→この記事で紹介

4.面積百分率法


3.標準添加法

標準添加法は絶対検量線法で検量線がうまく引けない時や、内部標準法で内部標準物質が見つからない時の選択肢。

特に原子吸光分析(AAS)で測定元素に対する試料中の共存物質の妨害を取り除けない場合に用いる。

例えば標準液と未知試料とで検出感度が異なる場合、干渉が起きている可能性がある。

標準添加法はこれを補正できる。


標準添加法に必要なもの

標準物質

測定対象と同じ物質が標準物質である。

標準添加法は、文字通り、測定対象と同じ物質(標準)を添加する。

標準物質を希釈するなどして適当な濃度に調製し、標準液を作成する。

AASの場合は値付けされた金属元素の標準液(1000ppm、100ppm)が試薬メーカーから市販されている。

手間と時間

標準添加法は未知試料一つ一つに対して検量線を作る。

未知試料の数が多い時は絶対検量線法よりも手間と時間が必要になる。


標準添加法のやり方

未知試料の濃度(添加濃度)とピーク面積(or 吸光度)の検量線をつくり、この検量線が濃度0の範囲まで成り立つと仮定して計算する。

まず、濃度を測定したい未知試料を4個程度の容器に一定量を分取する。
これをアリコートと呼ぶ。

標準液系列

次に、分取したそれぞれの未知試料に、濃度が段階的になるように標準液を添加する。

なお、この時濃度0の標準液(溶媒)も作っておく。

さらに溶媒を加えて一定容量とする。

ブランク(精製水など)にも濃度0の標準液(溶媒)を添加し、ブランク試料とする。

サンプルの調製例

ブランク+溶媒________
未知試料+溶媒________:0ppm
未知試料+1容量の標準液+溶媒:10ppm
未知試料+2容量の標準液+溶媒:20ppm
未知試料+4容量の標準液+溶媒:40ppm
←――― 一定容量 ――――→

(別々の濃度に調製した標準液の系列ができた)

それぞれの溶液を測定する。

クロマトグラフィーのときは

添加した標準液の濃度をヨコ軸(x軸)にとる。
ピーク面積をタテ軸(y軸)にとり、それぞれの値をプロットし、その関係を検量線(回帰線)とする。

タテ軸y ピーク面積(or 吸光度)
    ┃
    ┃
    ┃ スマホなら
    ┃ ズレてない!
    ┃
━━━━┻━━━━━━ヨコ軸x
.           濃度(ppm)
定量値      添加濃度

原子吸光分析(AAS)の場合

原子吸光分析(AAS)の場合は、添加濃度(x軸)と吸光度(y軸)の関係を検量線とする。

定量結果の算出

この検量線により、標準液を添加していくことで、どの程度ピーク面積が増えていくかがわかる。

標準試料を添加しなくても、未知試料には目的成分が存在しているので、検量線のy切片はプラスになる。
(y切片;x=0の時)

そして未知試料に含まれていた目的成分の濃度はx切片になり、これを定量結果(含有量)とする。
(x切片:y=0の時)

y=ax+b
0=ax+b
-b=ax
-b÷a=x
x=-b÷a
試料濃度=y切片÷傾き

例えば未知試料の濃度が高い(x切片が大きい)と、
添加量が0(x=0)でもピーク面積は大きい(y切片が大きい)はず。

この検量線をヨコ軸(濃度)のマイナス領域まで延長し、ブランク試料のピーク面積(吸光度)を与える濃度値からマイナスを除いた値が定量値になる。