FT-IRのお仕事

Fourier Transform Infrared Spectroscopy

原子吸光分析のコツ

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原子吸光分析のコツ

理想的なAAS実験環境

原子吸光分析(AAS)に求められる実験環境は、ひとえにコンタミの起こりにくい環境である。

コンタミとは、実験環境由来の汚染のこと。

特にET-AAS(電気加熱式)は高感度測定が可能であるため、余計に環境からの擾乱に影響を受けるので注意が必要。

特に低濃度試料を扱う場合はコンタミに注意する。

以下の要素はコンタミの原因になりうる。

コンタミの原因

実験台上のホコリ
装置近くの人の出入りが激しい
装置近くでぺちゃくちゃしゃべり続ける
装置近くの窓やドアの開閉
実験者が装置にもたれかかる
エアコンの風が装置を直撃
床面がコンクリート打ちっぱなし
建物が海の近くにある
ガラス器具からの金属元素溶出

コンタミが起きやすい金属元素

コンタミの例としては、
空気中を漂うほこりからの金属元素の混入や
ガラス器具やピペットチップなどの実験器具からの金属元素の溶出が挙げられる。

K:カリウム
Na:ナトリウム
Ca:カルシウム
Mg:マグネシウム
Al:アルミニウム
Cu:銅
Fe:鉄

AASで使用する容器

ガラスに含まれる金属元素は溶出して、AASのコンタミ原因になりうる。

AASでガラス器具を使う時は、ppmオーダー(mg/L)での分析にとどめておくのが望ましい。

それよりも低濃度での測定では、プラスチック容器を用いるのがベター。
テフロン、ポリプロピレン、ポリエチレンなど。

なお、調製した金属溶液は長く放置していると金属元素が容器の壁面に吸着し、濃度が下がる可能性がある。

AASで使う水

原子吸光光度計は洗浄のために水を必要とする。

この水のグレードは、超純水を使用する。

比抵抗の目安は16MΩ・cm

超純水使用時の注意点

超純水は用時調製が基本。

超純水は物を溶かし込む能力が高い。

そのため超純水を長期にわたって放置すると、空気中や容器中の原子や分子が超純水に溶け込んでしまう。

超純水は使うときに採水して、使ったらすぐ捨てるのが基本。

高圧ガス容器(ボンベ)の取り扱い

できるだけ戸外に設置する。

直射日光や風雨氷雪にさらされないようにする。

温度40℃以下に保つ。

2ヶ所以上固定する。
(地震対策、事故防止)


高圧ガス容器として用いられるボンベの塗装色

緑色:二酸化炭素(炭酸ガス)
黒色:酸素
黄色:塩素
赤色:水素
白色:アンモニア
褐色:アセチレン
灰色:その他の種類
(容器保安規則 S41年 通商産業省令50号)


フレーム式AAS用アセチレンボンベの取扱い

必ず直立のままで貯蔵または使用する。
(アセトンの流出防止のため)

原子吸光分析(AAS)に使用するアセチレンガスはボンベ入りのものを使用する。

このアセチレンボンベは高圧ガスというよりも加圧ガスの性格が強い。

アセチレンボンベ内部にはアセトンが存在し、アセチレンはアセトンに加圧溶解されている。

なので、ボンベを倒すとアセトンが流出する。


ボンベ配管に銅はダメ

アセチレンは銅や銀などと反応して爆発性の金属アセチリドを生成する。

配管には銅含有率が62%以上の合金を使用してはダメ。

緊急時対策として、アセチレン使用中はアセチレン容器の開閉用ハンドルを取り付けたままにしておく。