FT-IRのお仕事

Fourier Transform Infrared Spectroscopy

キャピラリーカラムの選び方

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キャピラリーカラムの選び方

キャピラリーカラム(Capillary column)を選択する時は、以下の四項目を考慮する。

このうち特に重要なのが液相成分の極性。

液相成分の極性
カラムの長さ
カラムの内径
液相の膜厚

キャピラリーカラム液相の極性

キャピラリーカラムを選択する際は、目的物質の極性に近い性質の液相を持つカラムを選ぶ。

そうすれば試料の分離が良くなり、良好なクロマトグラムが得られる。

極性が離れた成分同士は相互作用しにくいため、カラム内で保持されにくい。

その結果、分離不十分なピークとして出現しやすい。

極性の高い物質を分析する場合

高極性の液相を持つカラムを選択する。

極性の低い物質を分析する場合

低極性の液相を持つカラムを利用する。

分析対象成分の極性を判断する目安

分析対象成分の分子構造

その成分が溶ける溶媒の極性
(アルコール、炭化水素)


キャピラリーカラムの長さ

キャピラリーカラムの長さとしては30mが一般的。

そのほかの長さとしては、
15m、(30m)、60m、100m、150mなど

カラムが長いほど試料中の成分の溶出時間(保持時間)は長くなる。

カラム長さが2倍

→溶出時間も2倍
⇒ 分離能は√2倍(=1.4倍)

測定件数が多い場合は分析時間が短くなるよう、カラムも短くする。

溶出時間が長くなると、一般的にピーク間の差が広がるので、分離はよくなる方向。

また、カラム長さを長くすると、拡散する時間が長くなるので、ピーク幅は大きくなる。

ピーク幅が広がるのでそれほど分離がよくならないこともある。


キャピラリーカラムの内径

キャピラリーカラムには内径の大きいものから順に、
以下の種類がある。

ワイドボアキャピラリーカラム、
(内径0.53mm)

ミドルボアキャピラリーカラム、
(内径0.32mm)

ナロウボアキャピラリーカラム
(内径0.25mm)


ワイドボアキャピラリーカラム

内径0.5mmから0.75mm程度。

径の大きなカラム。

1ピークあたりの試料負荷量が数百ngから数千ngと多い。

スプリットせずに全量導入法で試料を注入する時に使用する。

ワイドボアキャピラリーカラムの特徴

試料の大量注入が可能。

高濃度試料が分析可能。

低濃度試料でも注入量を増やして高感度分析が可能。

キャリアガス流量が多いため、気体試料の注入に向いている。

理論段数は10万程度(60m)


ミドルボアキャピラリーカラム

内径0.3mm程度。

理論段数は20万程度(60m)


ナロウボアキャピラリーカラム

内径0.2mmから0.25mm程度。

径の小さいカラム。

ナロウボアキャピラリーカラムは径が細いため、試料負荷量は数十ng程度まで。

径が細い分、長さあたりの理論段数が高く分離能が良いので、高速分析に向いている。

通常、GCはスプリット注入法を使用することが多い。

そのため、分離能を重視してナロウボアキャピラリーカラムが選ばれやすい。

理論段数は25万程度(60m)


キャピラリーカラムの膜厚

キャピラリーカラムの固定相膜厚は0.25μmが一般的。

キャピラリーカラムの膜厚は試料負荷量と関係がある。

膜厚が厚いと大量の試料注入による大きい負荷に耐えられる。

つまり、そう簡単にはピークがブロードにならなくなる。


膜厚が厚いときのメリット

膜厚が厚いほど溶け込める成分量が増える。

試料負荷量も大きくなる。


膜厚が厚いときのデメリット

昇温時のベースラインのドリフトが大きくなる。
溶出時間が長くなる。
分析時間が余計にかかる。

膜厚と分離能の関係

内径が同じキャピラリーカラムでは、
膜厚が厚いものほど理論段高さ(HETP)は大きくなり、
理論段数Nは小さくなる。

膜厚が厚いと試料成分の溶入・溶出における膜表面と膜深部との時間差が大きくなり、ピーク幅は広がる。

これによりピークの拡がりを表す理論段高さ(HETP)は大きくなり、理論段数Nは低下する。


カラム選択の基本

様々な試料の分離に用いる場合は一般分析用カラムを選択する。

分析対象成分が毎回決まっている場合は専用カラムを選択する。

分離能を重視する場合

内径は細く、
長さは長いカラムを使用する

分離能よりも分析時間の短縮を重視する場合

内径が太く、
長さは短く、
膜厚は薄いカラムを使用する。
(膜厚が薄いほうが試料がカラム内にとどまる時間は短くなる)


目的物質の沸点の低い場合

長さは長く、
膜厚が厚いカラムを選択する

目的物質の沸点が高い場合

長さは短く、
膜厚が薄いカラムを選択する。